進学について

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/200610/2006102400126.htm?from=yoltop

小さい頃から憧れている職業があり、高校卒業後は大学か専門学校に進学しようと頑張っていたのですが、今年父がリストラされてしまい、やっぱり進学はやめて地元で就職してくれと言われました。

こういうの見るとほんと、心が痛むというか、心の底から同情するというか、いたたまれない気持ちになる。自分ではどうしようもない環境をどうにかしようとしても、どうにもできない現実だけが残ってしまう。自分が悪いことをして、その結果自分が不利益をこうむるというような自業自得ならともかくとして、親がリストラに遭ったとか、親がどうしようもなくだらしがないとかいうそういう理由で、子どもの進学が断念せざるような状況を放置するようなことは誰一人として得になるようなことは無い。この問題を放置して進学できない人が増えれば社会全体まで不利益が広がる。

そもそも私は国民生活金融公庫と日本育英会(現:日本学生支援機構)の枠をほぼフルに使って進学した。地元札幌で通学するならともかくとして、同じ北海道とはいえ函館で一人暮らしをするのにはとても苦労した。入学してからというもの、後期の授業料はどうしようか悩む毎日だった。授業料のほうは幸い全額免除の申請が通ったので、授業料の心配をすることは無くなった。でも、地元でもないので生活費だけはどうしようもなかった。アパートを借りなければならないので住居費がかかるし、生きるために食費だって必要だった。最低でも10万円は必要だったので、育英会から借りたお金はほとんど生活費だけに消えていった。本来ならば大学が寮とか作るべきだったのだろうけれども、うちの大学は建物を建てるだけで精一杯だったらしく、とても寮なんか建築できただけの余裕はなかったらしい。建前上は「寮を作らないほうが、大学生が函館市にお金を落とす」とか言ってたらしい。そんなのまったくウソ800だと分かる。だって学生が落とすお金より、学生が地元に就職してくれるほうがよっぽどお金になるから。