何で猫も杓子も公務員を目指すのか?

mnr2006-09-17


私の友達やら知り合いやら、結構な割合で公務員を目指す人がたくさんいる。それなりにがんばっているようだし、受かりそうな人もいれば何回受けてもダメなものはダメっぽそうな人がいる。北大法学部で現役で公務員になれないなんて、よほどさぼってるんだなあとかしか思えない場合もある。まあそれはそれで例外なのだろうけれども。けれど、公務員を目指す人たちは公務員しか眼中にないような気がしてたまらない。なぜ、彼ら彼女らが公務員ばかり目指そうとしているのか。

そもそもの始め、マスコミを初めとして周りの大人たちは雇用の不安定さを嘆いてばかりいる。確かに失われた十年というのは決して軽くは無い。かなりの経済的な損失を生んでしまった。バブル期に入社した人たちはかなりリストラされてしまったし、新卒の雇用も抑制されてきた。だから、公務員を目指す人たちが多くなっても不思議はない。自分が何も取り立ててアピールするものが無いとき、公務員を目指すのは一見よさそうに思える。

しかし、給料の面から見ても、公務員はかならずしも有利ではないように思える。北海道の例で行くと、札幌市の大学の新卒での初給料はたったの16万円しか支払われない。大卒で民間に就職活動した場合、おおよそ平均が18万円もらえるのにもかかわらずである。初給料でこれだけの差があるのだから、生涯賃金にかなりの額で差が開くというのは自明である。道外だと大学新卒民間は平均して20万円である。リストラされたらされたでまた就職先を探せばよいのに、地元札幌で公務員を探しているという心理は、私には理解できない。

そして、公務員を目指している人が必ずしも公務員になれるとはかぎらず、むしろ公務員になれない人が多い。いくら公務員を挑戦する人たちの年齢の制限がゆるくても、公務員になれなかったらそれでおしまいである。また、公務員の勉強をしている最中はニートと同じである。勉強している最中でそうなのだから、公務員になれなかった人は民間就職を今からしようとしてもおそらくかなりの確率で、同じ仕事にありつこうとしている新卒に「年齢の差」というだけで負けてしまうだろう。公務員はコストの割にリターンがかなり少ない。だから、私は公務員を目指す人たちは理解できない。(まあ、何かしらのビジョンがある人は例外)